家の建築に使う木材で、大切なこととは?
「ウチの家はさ?なんてったって桧で建ててるんだし、安心なんだよね〜」
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桧なら、本当に大丈夫なの?
実は、ある大工から こんな話を聞きました。その大工は現在は建具の仕事を手掛けているんですが、材木には詳しいんですね。彼が言うには、材木にカンナをかけた際に "ある違い" があると言うんですよ。何が違うのか?
それは、材木の表面の【艶】なのですが…。
機械を使った、いわゆる人工的な乾燥材には艶が無く「パサパサした様な感じ」なんだそうです。しかし【自然に乾燥させた材木】にカンナをかけると、表面に凄く艶が出ると。
「全く違う!」と言います。(*^_^*) 大工さんは、材木を大切に扱ってますからね〜?
やはり、機械を使い【非常に高温な中、短期間で乾燥させた材木】は、水分だけでなく木の大切な成分まで奪い取ってしまうんでしょうね?時間をかけて自然に乾燥させた材木は、木が持つ本来の良さを "損なわない" という事なんだと思います。ここに、私が "乾燥させる方法" に こだわる理由があります。やはり【自然な乾燥】が、一番なんですよね?
しかし、桧の柱を"自然乾燥"させるには2〜3年は かかります。という事は…施主に "3年後" の建築という事で請負契約をして頂き、さらには建築に使う「桧の代金」と「乾燥の費用」を "先に支払って頂く" 事になってしまうんですよ?
実際に建築をする "3年前" に、です。
何故なら、今の時代に自然乾燥させた桧を "大量にストックしている" 材木屋さんは まず在りません。そうなると…どうしても、ご契約を "戴いてから" 桧を乾燥させる事になります。
そこで私が注目したいのは、"70℃までの低めの温度" で乾燥させる技術です。これを【中温乾燥】と呼びます。勿論、機械を使った人工乾燥には違いないのですが、注目すべき点が多いのです。
今の時代、ほとんどが【120℃】という大変な高温で、材木を短期間 (わずか1週間 ) で乾燥させてしまいます。ですから、カンナをかけても艶のない材になってしまって "木材の品質" をも損なってしまう。
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さらには、大切な "強度を失う"…恐ろしい【柱の内部割れ】という現象まで、招いてしまいます。高温での急速な乾燥では、いかな桧でも "無理な負担" が掛かってしまうのでしょう。恐ろしいことに材を切ってみないと…この【内部割れ】は判りません。
しかし【70℃以下】の "中温" での乾燥であれば【自然乾燥に限りなく近い状態】が生まれるのです。約1ヶ月と時間は掛かりますが、3年も必要ありません。実際に【中温乾燥】の桧の柱を使うと、大工から「艶が良いなぁ〜!」と言われます。
彼らは、"乾燥温度の違い" が分かるんですね〜?
ただの地産地消だけでは不十分です。乾燥の方法まで考えた木造住宅を建ててこそ、 "本物" と呼べるのでは ないでしょうか?本来の【桧の良さ】を引き出す建築こそが望まれると私は考えます。
あなたは まだ、"高温で乾燥" させた材木、桧で…マイホームを建てるのですか?
怖い 怖い…!